しかし食欲には勝てない日々。
またふらりと寄ってしまったすき屋で痛い目を見てしまいました。
まったく反省という言葉の似合わない人でございます。
「おいライト、それ美味そうだな。俺にもくれよ」
「突然どうしたんだいリューク、リンゴ以外の人間の食べ物には興味はなかったんじゃないのか…ほら、一口だけだぞ」
「ウホッ」
肉。
汁。
葱。
レタス。
コーン。
豆腐。
――たまらぬ牛丼Lightであった。
いやでもこれ、意外においしいんです。
確かにどう見ても、
『「牛皿」+「冷奴」+「サラダ」のお手軽メニュー』
ではあるのですがそれぞれの相性が半端じゃない。
上部の肉と汁だけがあったかくて、中部のサラダと下部のお豆腐は冷えた状態、このバランス・ギャップが肉のジューシーさと野菜のシャキシャキ感から生まれるうまみに波を与え、そこにひんやりぷるぷるの豆腐を一緒にかきこめば口いっぱいに広がるカオスと幸せ。
ジャンクフードに限りなく近いB級グルメたる牛丼じゃなければできないコラボだと思います。
いや、B級グルメにおける野菜の大切さを思い出させてくれたと言っても過言ではないでせう。
やっぱり肉と野菜は一緒に食べてナンボですね。
「ウンまああ~いっ!こっこれは~っ!この味わあぁ~っ!
サッパリとしたサラダに牛肉のジューシー部分がからみつくうまさだ!!
サラダが牛肉を!牛肉がサラダを引き立てるッ!
“ハーモニー”っつーんですかあ~、“味の調和”っつーんですか~っ!
例えるならプリーストとドラゴンナイトのロア狩り!
ゆゆ様に対するみょん!両手ヲリの突撃に対する
弓スカの“アローレイン”!」
つまりはこういうことですよね。がおんがおん。
最近はどこも、牛丼が復活してきましたね。
豚の美味しさを知ってしまった日本人のひとりとしてはそこまでの感慨があるわけではないにせよ、各チェーン店を食べ比べてみるとなかなか面白いものです。
早い、渋い、吉野家。
安い、幅広い、松屋。
旨い、高い、なか卯。
豊富、華やか、すき屋。
だいぶ前からすき屋の牛丼Lightは出てましたが、サイドメニューの巧みな組み合わせ方といいベースとなる牛丼・豚丼・カレーとトッピングの組み合わせといい、なかなかうまいこと商売してると思います。バイトさんは多分めんどくさい。